シラバス参照

年度 2024 
講義コード 11322401 
講義名 ミクロ経済学 
担当教員

由川 稔

配当年次 3・4年 
単位数
講義期間 前期 
授業形態 講義/対面型 
ナンバリング(2023年度以降入学生用) MM-FLA-EC-321 
ナンバリング(2022年度以前入学生用) MM-SBK-BTE-303 



授業の概要
私たちは(個人であれ企業であれ政府であれ)、資金や資本、人的資源、天然資源等、「限りある資源」を使って、「何をどれだけどのようにして実現するか」という選択の問題に、日々直面している。

また、「実現された物事を、誰とどれだけどのように分かち合うか」という選択の問題にも、日々直面している。

経済学では、前者は資源配分の問題として効率性の観点から、後者は所得分配の問題として公平性の観点から検討されることが多い。

以上のような基本的認識のもと、この授業では、
①消費者や生産者の経済活動の原理的なことを学ぶという点では経営学に関連し、また資するところも大きいと考える。ただし、経済学独特の用語もあるので、そのような言葉や考え方に慣れていく。
②教科書を読み込む。レジュメ(教科書の叙述を要約・補足したり、発展的学習を案内したりする資料)を提示するので、教科書内容の理解に役立ててもらう。
③教科書理解が確実かどうか、また、レジュメで案内した発展的学習の成果等を、毎回授業後の小課題(小テスト)で確認する。
④公務員試験の過去問等にも触れてもらう。
⑤純理論的な考察だけでなく、現実の社会動向との関連も考えてもらうため、レジュメで関連情報を提示する。 
この科目の到達目標
・家計や企業等は、物事を「効率的に」行うべきであったり、「公平に」行うべきであったりする。そのような選択の優先順位や基準をめぐって、私たちがどうやって落としどころを見出しているのか、また、市場における財やサービスの価格や数量はどのように決定されるのか、といったことについて、ミクロ経済学という「道具」(理論的枠組み)と基本用語を用いて説明できる。

・近い将来のビジネス・シーンの中で、ミクロ経済学という「道具」を、現実の日本経済や国際経済の動向を説明する手段として活用し、ディスカッションできるようになる。

・公務員試験等における関連領域の基礎的問題に正解できる。 
成績評価の方法
出席状況と授業参加の積極性、授業外学習の成果、提出課題の内容、定期試験の成績により、総合的に評価する。具体的には、毎回授業外学習用の小課題(小テスト)を提示するので、その解答ぶりから、授業参加の積極性や理解度、授業外学習の成果を確認する。「定期試験」の受験および「提出課題」(レポート)の提出は、単位修得の必須要件とする。 
評価方法   割合   評価のポイント  
授業出席   25  % 授業中の姿勢だけでなく、主体的な取り組みと理解度を測るため、意見の確認も含むことのある小課題を提示するので、その成果(得点)を蓄積していく。 
授業外学習   25  % 毎回提示する小課題(manabaの「小テスト」を使用)に取り組むことで、授業内容の定着を図り、基本的な知識・スキルや教養を、ビジネスパーソンとして活用できるレベルに高めていく。 
小テスト   0  % 単独で独立した小テストとしては実施しない。 
提出課題   20  % 学期終盤に提出するもの。別途指示する期限厳守。各自で最近のニュースを取り上げ、授業内容に関連づけて社会問題を考察できているか、また将来のビジネス・シーンで活かせそうか等を評価する。(必須) 
定期試験   30  % 定期試験期間中に教室で筆記試験を実施する。第1回から14回の講義内容を対象に、ミクロ経済学全般の理解度を評価する。(必須) 
(合計)   100  % _  
授業項目
授業項目
1. 「ガイダンスおよび限界効用理論」・・・「ミクロ経済学」の特徴。そして、家計の消費行動を分析する「限界効用理論」。 
2. 無差別曲線の考え方・・・好きか嫌いか、あるいは効用の大小関係や順序づけに着目する考え方。 
3. 所得の変化と消費・・・「所得の変化による予算制約線のシフト」、「上級財・中立財・下級財」等。 
4. 価格の変化と消費・・・「価格の変化と予算制約線のシフト」、「価格消費曲線」、「代替効果と所得効果」等。 
5. 完全競争企業の生産行動・・・「完全競争企業とは」、「限界収入」、「限界費用」等。 
6. 損益分岐点と操業停止点、供給曲線・・・「限界費用」、「平均費用」、「平均可変費用」、「平均固定費用」のグラフ上の位置づけから始める。 
7. 市場均衡と安定性・・・「ワルラス調整過程」、「マーシャル調整過程」、「クモの巣調整過程」等。 
8. 完全競争市場の長期均衡・・・「長期と短期」、「長期費用曲線」、「完全競争の長期均衡」等。 
9. 独占企業の生産行動、価格差別・・・「独占企業が直面する需要曲線、「独占企業の限界収入」等。 
10. ゲーム理論・・・「利得表」、「ナッシュ均衡」、「支配戦略」、「囚人のジレンマ」等。 
11. 余剰分析・・・「効率性と公平性」、「パレート最適」、「余剰分析」、「課税の効果」等。 
12. 外部効果・・・「外部経済と外部不経済」、「私的限界費用と社会的限界費用」、「ピグー税」、「コース定理」等。 
13. 公共財・・・「私的財と公共財の違い」、「公共財の最適供給量と市場の失敗」等。 
14. 「逆選択」および「モラル・ハザード」・・・それぞれの事例と考え方。
最後に授業全体のまとめ。 


PAGE TOP